絵本作家のヨシタケシンスケさんを知りました。
ヨシタケシンスケさんは、メモ魔で生活の中でおもしろいと思った事は何でもメモ(イラスト)として残しているそうです。
そうした地道な努力を経て、大人と子供の感覚をあわせもった絵本を描いていらっしゃいます。
そんなヨシタケさんに興味をそそられたので絵本とエッセイを買ってみました。
絵本:「ふまんがあります」
Photo by Amazon:ふまんがあります (PHPわたしのえほん)
この本は子どもの疑問に父親が答えるスタイルで進行する絵本です。
子どもなりの疑問が表現されていてとても面白いです。
読んでいくと「私もこんなことを思ってました」と共感したくなります。
例えば「どうして おとなは よるおそくまでおきているのに、こどもだけ はやく ねなくちゃいけないの?」といった子どもの素朴な疑問が続きます。
お父さんの答えがこの本の面白いところです。
普通ではとても考えつかない「現代的な」答えが羅列されていきます。
今の子どもはこんな回答なら納得してくれるかな?…といったヨシタケシンスケさんのこだわりが表現されています。
そして、最後はおとうさんから子どもへの質問で絵本は終了します。
今を生きる子どもと大人の関係が機知にとんだ会話の応酬で表現された「子どものためだけの絵本とは思えない」構成になっていました。
この本は子どもと大人の両方に気づきを与えてくれるに違いありません。
エッセイ:「結局できずじまい」
Photo by Amazon:結局できずじまい
この本は「いまだに出来ないこと」がテーマになっています。
イラストによるエッセイなので、分かりやすく心に届いてきます。
読み進めると「私も出来ないんです」と答えてしまいそうです。
例えば「買った本を読むこと」とかもそうです。
読みたいと思って買ってくるのですが、手元にあるといつでも読めるような気になってしまって、結局読まない。そんな私の思いとヨシタケさんのイラストエッセイがシンクロしていきます。
全編にわたって共感を覚えることばかりで、驚いてしまいました。
これだけ共感を覚える本はめずらしい
ヨシタケシンスケさんの本を読むのははじめてですが、本を読みながら感じる共感は半端ではありません。
それほどヨシタケさんの観察眼が優れているということなのだと思います。
ヨシタケさんは「どこにでも、誰にでもあることなのに、忘れてしまっていること」を思い出させてくれます。
ちょっとした時間で自分を見つめ直させてくれる不思議な絵本でした。
by T.Y.